DISCOVER GUÉRANDE

ゲランドを知る

フランス・ブルターニュ半島の塩田で、2000年以上受け継がれてきた
自然と人の手による塩づくり。その歴史と哲学を紐解きます。

2000年+
製塩の歴史
225
パリュディエ(塩職人)
2,000ha
塩田面積
8
品質認証

2000年の歴史

ゲランドの塩田は、古代ローマ時代から続くヨーロッパ最古の製塩地のひとつ。
幾多の危機を乗り越え、職人たちの手で守り継がれてきました。

ゲランド塩田の風景
3世紀〜
古代ローマ時代の製塩
ゲランド半島での塩づくりは3世紀頃まで遡ります。大西洋の海水を内陸に引き込み、太陽と風の力だけで結晶化させる伝統的手法は、ローマ帝国時代から続く技術です。中世にはブルターニュ地方の重要な交易品として、塩は「白い黄金」と呼ばれました。
1840
最盛期 — 塩田面積2,600ヘクタール
19世紀半ば、ゲランドの塩田は約2,600ヘクタールに広がり、数千人のパリュディエが製塩に従事。フランス最大級の天日塩産地として繁栄しました。
1960–70s
存亡の危機
工業的に精製された塩の台頭と、沿岸部のリゾート開発により、塩田は次々と埋め立ての危機に。伝統的な製塩業は消滅の瀬戸際に立たされます。パリュディエの数は激減し、塩田は荒れ果てていきました。
1972
塩職人たちの結束
危機に立ち向かうため、残ったパリュディエたちが生産者グループを結成。「自分たちの手で塩田を守る」という強い意志のもと、組合の原型が生まれます。これがル・ゲランデ(Le Guérandais)の出発点です。
1988
農業協同組合へ
生産者グループは農業協同組合として正式に法人化。パリュディエ一人ひとりが組合員であり、経営に参画する民主的な運営を確立しました。「塩職人のための、塩職人による組織」という理念は今も変わりません。
1989
Nature & Progrès認証取得
フランスで最も厳格な自然食品認証を取得。化学的処理を一切行わない、添加物ゼロの製塩が正式に認められました。
1991
Label Rouge — フランス最高品質認証
フルール・ド・セル(塩の花)がLabel Rouge(赤ラベル)を取得。フランス政府が認める最高品質の証で、塩としては史上初の認定です。
1994
テール・ド・セル(Terre de Sel)開設
組合が運営する塩田見学施設がオープン。年間7万人以上が訪れ、パリュディエの仕事と塩田の生態系を間近で体験できます。
1997
完全自立経営の確立
大手食品企業からの独立を達成し、生産・加工・販売のすべてをパリュディエ自身の手で管理する体制を確立しました。
2012
IGP(地理的表示保護)取得
EU公認の地理的表示保護(Indication Géographique Protégée)を取得。「ゲランド」の名を冠する塩は、この地で伝統的手法により生産されたものだけであることが法的に保護されました。
2024
PME+認証 — 持続可能な中小企業として
環境配慮・社会的責任・持続可能な経営を証明するPME+ラベルを取得。フランス国内ブランドNo.2の地位を確立し、55カ国以上への輸出を行っています。

ゲランドという街

塩田だけではない、ゲランド。中世の城壁に囲まれた
「芸術と歴史の都市」は、ブルターニュの宝石です。

Porte Saint-Michel — ゲランドの城門 サン・トーバン教会とマルシェ ゲランド旧市街の通り

5世紀から続く城壁、フランス文化省認定の「芸術と歴史の都市」、石畳の旧市街に並ぶクレープリーやマルシェ。大西洋のビーチまで車で10分——塩田、中世の街、海が交わるブルターニュの宝石です。

ゲランドの街をもっと見る →

塩田と自然

2,000ヘクタールの塩田は、製塩の場であると同時に、
豊かな生態系を育む自然の宝庫です。

1000年変わらない水路のシステム

大西洋の海水は、満潮時に水門を開いて塩田に引き込まれます(塩分濃度 約3.4%)。そこから5つの段階を経て結晶化します。

① ヴァジエール
貯水池で加温
→ 4%
② コビエ
ジグザグ水路
→ 5%
③ ファール
浅い濃縮池
→ 20%
④ アデルヌ
最終濃縮
→ 25-28%
⑤ エイエ
結晶化・収穫
210g/L以上

フルール・ド・セルは木製の「ルース」で水面の結晶をすくい、グロ・セルは「ラ」で塩田の底から集めます。この精巧な水路システムは、9世紀以来パリュディエが磨き上げてきたものです。

塩田の水路システム — 俯瞰

生物多様性の宝庫

塩田は製塩の場だけでなく、稀少な生態系を形成しています。ヘラサギ、チュウヒ、クロウタドリなどの鳥類が生息し、スターチス、フェンネル、海藻のサリコルニアなど、塩性湿地特有の植物が自生。ラムサール条約に基づく国際的な湿地保護区域にも指定され、自然と人間の共生モデルとして世界的に注目されています。

ゲランド塩田の自然風景 — 湿地の生態系
塩田風景 塩田風景 塩田風景

環境への取り組み

パリュディエたちは、自然環境の保全を製塩活動の根幹に据えています。化学物質は一切使用せず、塩田の整備には粘土と木の道具だけを使用。毎年冬のオフシーズンには水路の手入れを行い、塩田の生態系バランスを維持しています。「自然から借りて、自然に還す」——それがゲランドの塩づくりの哲学です。

パリュディエの手のひらに乗るゲランドの塩

"Le sel de Guérande est le fruit d'un dialogue millénaire entre l'homme et la nature."

「ゲランドの塩は、人と自然の千年にわたる対話の結晶です。」

パリュディエ — 塩の職人たち

パリュディエとは、ゲランドの塩田で塩を収穫する職人のこと。
フランス語で「湿地(palud)の人」を意味します。

手仕事の誇り

パリュディエの道具は、何百年も前から変わっていません。「ルース」と呼ばれる木製の道具で塩田の水面をそっと撫で、結晶化した塩を丁寧に集めます。特にフルール・ド・セル(塩の花)は、風のない夏の夕方、水面に薄く浮かんだ繊細な結晶を、一枚ずつすくい上げる高度な技術が必要です。機械化は一切行わず、すべてが人の手と目と経験による仕事です。

黄金時間の塩田で作業するパリュディエ
225
組合員パリュディエ
16%
女性パリュディエ
46
平均年齢
12,000t
年間生産量

協同組合という選択

ル・ゲランデ(Le Guérandais)は農業協同組合です。225名のパリュディエ全員が組合員であり、14名の理事会が民主的に運営を決定しています。大企業への売却や合併の誘いを何度も断り、「自分たちの塩は自分たちで守る」という信念を貫いてきました。利益はパリュディエに還元され、若い世代の育成や塩田の維持管理に投資されています。

組合施設と塩田
組合施設

組合本部

ゲランドに構える組合本部では、75名のスタッフが品質管理・パッケージング・物流・マーケティングを担当。パリュディエが収穫に集中できる体制を支えています。

テール・ド・セル

テール・ド・セル(Terre de Sel)

1994年に開設された塩田見学施設。年間7万人以上が訪れ、パリュディエの案内で塩田を歩き、塩の収穫を間近で体験できます。

ナックとゲランドの絆

株式会社ナックは、ゲランドの塩生産者組合(Le Guérandais)の日本における正規輸入販売店として、約30年にわたりこの伝統の塩を届けてきました。現地のパリュディエやHamonさんとの信頼関係のもと、私たちは塩田を訪れ、収穫の道具に触れ、その手仕事を自分の目で確かめています。「売る」だけでなく「つなぐ」こと——それが私たちの役割です。

ゲランドの塩田にて — ナックチームとHamonさん

ゲランドの塩を知る

同じ塩田から生まれる、個性の異なる塩たち。
収穫方法と粒度の違いが、それぞれの特長を生みます。

フルール・ド・セルの結晶

フルール・ド・セル

Fleur de Sel

「塩の花」。水面に浮かぶ繊細な結晶を手作業ですくい上げる最高級品。スミレのようなほのかな香り、まろやかな甘みが特長。仕上げ用。

グロ・セル・グリの結晶

グロ・セル・グリ

Gros Sel Gris

塩田の底で結晶化した粗塩。グレーの色は粘土由来のミネラル。煮込み料理、パスタの茹で汁、塩釜焼きに。ゲランドの基本塩。

セル・ファンの結晶

セル・ファン

Sel Fin

グロ・セルを乾燥・粉砕した細粒塩。使いやすいサイズで日常の調理全般に。精製塩と違い、ミネラル分をそのまま保持しています。

フレーバーソルト

ゲランドの塩をベースに、厳選した素材を合わせた
プレミアムフレーバーソルト。料理の仕上げに新しい個性を。

フルール・ド・セル バニラ

フルール・ド・セル バニラ

Fleur de Sel Vanille de Madagascar

世界最高クラスのマダガスカル産バニラとフルール・ド・セルの出会い。甘くし過ぎたくないけれど、重厚なバニラの香りと深みが欲しい時に。ホタテのポワレ、鴨肉の仕上げ、焦がしバナナやバニラアイスのトッピングに。65g、コルク蓋のギフト仕様。

セル・マリン・ハーブ

セル・マリン・ハーブ

Sel Marin aux Herbes Aromatiques

パセリ、バジル、ローズマリー、タイム、月桂樹、エストラゴンの6種のオーガニックハーブをブレンド。肉・魚のグリル、パスタの仕上げに一振りするだけで、プロヴァンスの香り。125g / 250g。

セル・マリン・ヴェジタブル&ハーブ

セル・マリン・ヴェジタブル&ハーブ

Sel Marin aux Légumes & Herbes

ロベージ、チャイブ、バジル、マジョラム、パセリ、ローズマリー、タイムのハーブに、セロリ、ニンニク、玉ねぎ、ポロネギ、海藻を加えた万能塩。スープや煮込み、サラダに。コンソメ代わりにも。250g。

8つの認証

ゲランドの塩は、品質・環境・地域性において
フランスで最も多くの認証を持つ塩ブランドです。

1989

Nature & Progrès

フランス最古の自然食品認証。化学処理・添加物ゼロを保証。

1991

Label Rouge

フランス政府による最高品質認証。塩としては史上初の取得。

2009 / 2024

Agriculture Biologique

2009年よりフレーバーソルトの有機原材料を認証。2024年9月、67名の生産者がBIO認証を取得。

2012

IGP ゲランド

EU地理的表示保護。「ゲランド産」の名称を法的に保護。

2006

IFS Food

国際食品安全規格。製造・衛生管理の最高水準を認定。

2024

PME+

持続可能な中小企業認証。環境配慮と社会的責任を証明。

Produit en Bretagne

ブルターニュ地方認証。地域経済と雇用への貢献を認定。

APROSELA

伝統的手作り塩の振興団体。Label RougeとIGPの品質基準を管理。

よくある質問

ゲランドの塩について、お客さまからよくいただくご質問をまとめました。

賞味期限はありますか?+

日本およびフランスの法律では「塩に賞味期限は無い」とされています。2019年からフランスでは食品ロス削減のため塩の賞味期限表示が廃止されました。ただしハーブ入り・海藻入りの塩には賞味期限があり、容器底面に日/月/年の順で印字されています。

保存方法は?+

常温・暗所での保管をおすすめします。特にグロ・セル(粗塩)は冷蔵庫に入れないでください。長期間冷蔵すると化学変化でカチカチに固結します。5kg袋は水分が染み出すことがありますが、品質に問題はありません。

天日海塩の製造方法は?+

太陽熱と風のみで海水から塩を取り出す、9世紀以来の伝統製法です。大西洋の海水を塩田に引き込み、水路を通って少しずつ濃縮。最終的に塩分濃度25〜28%に達した段階で結晶化します。塩職人(パリュディエ)が木製の道具を使い、すべて手作業で収穫します。

小さな異物が入っていることがありますが?+

自然の塩田で収穫するため、ごくまれに自然物(海藻の欠片など)が混入することがあります。海水は長い水路を通る間にほとんどの固形物が沈殿しますが、洗浄・精製を一切行わないため完全には除去されません。目視による異物除去と機械による金属除去は行っています。自然のままの証拠としてご理解ください。

グロ・セルの水分量が多いのはなぜ?+

グロ・セルは採取後、塩蔵庫(サロルジュ)で自然乾燥させますが、袋詰めの際に取得位置によって水分量にばらつきが出ます(約5〜9%)。自然のままを優先しているためです。セル・ファンは乾燥・粉砕処理を行うため水分がほぼ除去されます。

グロ・セルとセル・ファンで塩化ナトリウム量が違うのは?+

グロ・セルは約7〜8%の水分を含むため、100gあたりの塩化ナトリウム割合が相対的に低くなります(88.3%)。セル・ファンは乾燥処理により水分がほぼゼロのため96.6%と高く表示されます。塩そのものの成分は同じで、用途に応じた使い分けが可能です。

日本までどうやって届くの?+

フランスのゲランド塩生産者組合の倉庫でコンテナに積み込まれ、海上輸送で日本へ届きます。株式会社ナックが1997年の塩専売法廃止以来、正規輸入元として品質検査と日本語栄養表示ラベルの貼付を行っています。

ゲランドの塩を、
あなたの食卓へ。

2000年の歴史が磨き上げた、自然のままの塩をお楽しみください。